2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

獰猛なる(2)

「ぼくは本来、不機嫌な人間なんです。できれば、一日中、自分だけの世界に浸っていたいんですよ。でも、それじゃいけないから、にこやかな顔してるんです」 突然、日本アニメの巨匠・宮崎駿が怒り出した。それはけっして自らの権威を振りかざす怒りではない…

獰猛なる(1)

そうだ、獰猛なものがいる。くしくもそう思わせられる出来事が二つあった。 先週末、日本橋・高島屋近くのフランス料理店 「メルヴェイユ」に出かけた。久しぶりに再会する友人のシェフが、ベルギーでの修行時代の友人がシェフの店だと誘ってくれたのだ。日…

鬼塚忠著『Little DJ 小さな恋の物語』(ポプラ社)〜夢はかなうという事実に触れてほしい

以前、取材した出版エージェントの鬼塚忠さんからメールが届いた。2年がかりで彼が書き上げ、今月出版された小説を原作にした映画が、年末から全国公開予定だという。入院中の男の子が患者さんたちを取材しながら、その内容を院内放送でディスクジョッキー…

植木等さん逝去に〜イメージを背負って生きること

植木等さんと聞けば、ぼくがまっさきに思い出すのはある文章の断片。しかも奇妙な表現になるが、その細部は曖昧ながら、それを読んでぼくが受けた、ある確かな印象だ。けれど、週刊「アエラ」の「現代の肖像」という人物ルポのページで、大先輩の足立倫行さ…

art

「21_21デザイン・サイト」のプレス内覧会(東京ミッドタウン)〜過程をこそ見せるという試み 写真は生アンドーである。安藤忠雄氏自身による建築ツアーに参加してきた。つい3時間ほど前のホッカホカだ。場所は今月30日からオープン予定の、東京ミッドタ…

佐々木俊尚『ライブドア遺伝子の行方』(CNET JAPAN)〜今だからこそ必要な検証の視点

「CNET JAPAN」で、佐々木さんの『ライブドア遺伝子の行方』という文章を見つけた。同社退社後、新会社を立ち上げた人たちのインタヴューから、ライブドア社のネットコンテンツの先進性と、六本木ヒルズ移転後の同社の変化を明らかにしている。いい視点だし…

富田富士也著『「虐待」は愛からおこる』(河出書房新社)〜自分のエゴを愛情と混同した親たちの「見えない虐待」という視点。

ぼくが取材協力をした本が発売されました。教育カウンセラーである富田さんの著書です。いくつか論点はあるのですが、ぼくがもっとも時代を感じたのは第二章の「高学歴家庭の『見えない虐待』」。 昨年6月、奈良の医師家庭で起きた、長男による母子放火殺人…

ワークショップ(2)〜脳の、普段使わない部分を鍛える 

カラーバスというトレーニングもしました。「バス」とはお風呂のバスで、ここでは色を浴びるということ。自分でひとつの色を決めて、街中でその色だけを追っかけて見る。すると、その色が社会の中でどんな意味合いを委ねられているのかが、ほんの少し見えて…

ワークショップ体験(1)〜脳の、普段使わない部分を使う感覚 

マンダラートって知ってますか。9マスに区切られた四角形。その中央にひとつの単語を書き、その単語に関連するもの、あるいはその単語から連想するもの、その単語を言い換えたものなどを他のマスに、どんどん書き込んでいく。イメージやアイデアを粘土にた…

NHK「ハゲタカ」第5回〜NHK土曜ドラマの制作力は素晴らしい 

残念ながら3、4回目の「ハゲタカ」の放送は見逃した。で、5回目を観たけど、やっぱりいいわ。ジグソーパズルみたいにさまざまな要素や人間関係が細かく絡み合いながら、違和感なくひとつの物語としてスリリングに展開していく。ひさびさに息をもつかせな…

浅野有生子さん脚本、映画『棚の隅』17日より下北沢で上映中

拙著『レンタルお姉さん』を原案に、NHKドラマ『スロースタート』を書き上げてくれた浅野さん。(じつはかなりのカラオケ愛好家^〜^)彼女が脚本をつとめた映画『棚の隅』(原作・連城三紀彦、主演・大杉漣)が17日から4月13日まで、シネマアートン下…

友人シエスタの新たな展開〜ブーシュカの歪み 

白という色を、より輝かせるのに黒を合わせるという方法がある。白という色は、それ一色だけだと、「白ける」あるいは「白々しい」にもなりかねない弱さをあわせもつからだ。死や闇を思わせる黒と対比することで、光や純粋とつながる白がより映える。 ひさび…

決断できない「いい子」たちが招いた結末(3)〜冨山和彦氏談

およそ60年前、繊維産業が日本の顔だった時代の「トヨタ」だったカネボウが、なぜ落日を迎えたのか。その命題について、冨山氏は、10年前に繊維事業からいさぎよく撤退していれば、今なお堅調な化粧品部門を軸に経営は磐石だったのにという、マスメディ…

決断できない「いい子」たちが招いた結末(2)〜冨山和彦氏談 

冨山氏が、再生機構解散後に企業再生会社を立ち上げるというニュースが流れた。おお、このブログもタイムリーだなぁ。ボストンコンサルティング、そして同僚たちで新たに経営コンサルティング会社を立ち上げ、自ら会社の諸制度を作った冨山氏には、財務と事…

決断できない「いい子」たちが招いた結末〜冨山和彦・産業再生機構代表取締役専務談

「東大・大蔵省と、ただ勉強ができるというだけで、たいした挫折経験もなく偉くなった人たちに、血を出すような非情な決断はできないわけです。イージーゴーイングの人たちは、そこが駄目ですね。それが「失われた10年」と呼ばれる、この国の金融行政無策…

音符と歌声の狭間にこそあるもの

ここ3週間ほど、宇多田ヒカルの『COLORS』という曲をキーボードで練習している。一番新しいCDの中でもお気に入りの曲で、奥さんの友人にもらった楽譜集で見つけたから。ただ、スローテンポから始まり、徐々にテンポアップしていくので難しい。 数日…

日本環境ジャーナリストの会セミナ―開催(今週17日)

日本環境ジャーナリストの会が主催するセミナ―が、今週土曜日(13時半から17時半)に、芝パークホテルで開催予定です。「メコン河流域の持続可能な開発を検証する『科学者とジャーナリストの交流セミナー in ラオス』報告会。参加無料で、事前申し込みが…

フラメンコ発表会〜人生の宝物の有無 

art

ひさびさに、うちの奥さんの踊るのを観た。身内なので、いつもは「うまいだけではツマラナイ」などと辛口なのだが、今回はカッコ良かったと素直に伝えた。緩急の中にも動きにキレがあったから。 日曜日は、10キロ完走後、帰宅してゆっくり入浴してから夕方…

{Run]かるがもファミリーマラソン〜10キロ完走45分突破 

やはり、日頃の行いの賜物だよな。だってスタート15分前まで降っていた雨が、10分前の午前11時5分前後にぴたりと止んだんだもん。 深夜から降り出した雨の中を横浜・三ツ沢公園をめざす。昼から晴れマークだったので、なんとかスタートまでに止まない…

マンボウの刺身はホタテ味 

水族館でよく見る、妙に胴が短くて大きい魚マンボウ。あの刺身食べたことある人、きっと少ないでしょう。小田原辺りでは、たまにあがるので刺身で食べるらしい。小田原で知人を取材後、お宅に招かれて出されたのが、マンボウのお刺身。右上写真の右側白いの…

松岡正剛『17歳のための世界と日本の見方』〜引き算の美学(2)

同じ本の後半に、枯山水の庭についての記述がある。 枯山水は、小さな庭の空間のなかに大きな山や川を表現するために、あえて石だけを使ったものです。水を引き算したものです。そして石の置きかたや、わずかに流文を描いた砂利だけで、そこに滔々(とうとう…

松岡正剛『17歳のための世界と日本の見方』〜引き算の美学(1)

ありふれたものが、まるで違った姿で立ち現れる。そこに、あらゆる創作物のひとつの存在意義ある。それはたったひとつの言葉でも1行の文章でもいい。 松岡さんの本で、ぼくはその歌に出会った。 見渡せば花ももみじもなかりけり 浦の苫屋(とまや)の秋の夕…

新宿中央公園で上り下り練習〜春めいた空気

Run

午前中に取材、午後はマンションの臨時総会。帰宅後、昼のビールもさめたので、軽くウォーキング。前夜、自宅から駅前のカラオケに行く途中で、やたらと痛んだ左膝が大丈夫そうなので、そろそろとジョギング開始。春めいた天気だったので、新宿中央公園まで…

{日誌]ペルー料理の宴&カラオケ

先のドラマ関係者をわが家にお招きして、夕食&カラオケで盛り上がった。カラオケなんて、3、4年ぶり?「キャンディキャンディ」「越冬つばめ」「悲しい色やね」「片想い」、最後はみんなでキャンディーズ・メドレーで終了。元ヒッキーのKくんが、ひとり…