フラメンコ発表会〜人生の宝物の有無 

 ひさびさに、うちの奥さんの踊るのを観た。身内なので、いつもは「うまいだけではツマラナイ」などと辛口なのだが、今回はカッコ良かったと素直に伝えた。緩急の中にも動きにキレがあったから。
 日曜日は、10キロ完走後、帰宅してゆっくり入浴してから夕方都内へ。奥さんが出るフラメンコの発表会鑑賞のためだ。舞台の一番最後に、彼女は6人の踊り手のひとりとして登場。黒のパンツルックで足のステップをメインに見せつつ、キレのある身体のターンをまじえながら、舞台上をあちこち移動する構成も良かった。
 緩急と強弱がきちんとあって、6人の息がぴたりと合えば、足のステップワ―クだけでも、じゅうぶんカッコ良いフラメンコになる見本みたいな演技。ああいうのは、日本人の舞台では初めて観たな。
 緊張しつつも一生懸命踊っている彼女もカッコよかった。生涯いじり飽きないオモチャを見つけられるかどうかで、人生はかなり違うものになる。それはお金では買えないから。好きだという情熱をたやさず、努力も続けなくてはいけない。その過程で人として磨かれもするし、元気でもいられる。自然と謙虚にもなれば、向上心も手放せない。
 飽きっぽくて、とくに好きなものがない彼女が、もう10年近く続けているのだから、もうじゅうぶんに「宝物」だ。