2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

知的能力と実現能力 

先日、ある大学教授の方とお会いした。 「伝説のエンジニア」という異名もとった彼の話の中で、もっとも印象的だったのが、知的能力(アビリティ)と実現能力(コンピタンス)についての件(くだり)。 かつての勤務先で、東大の機械科大学院卒の若手に、ひ…

ことばウオッチ〜より強靭なリアリティの在り処

永作博美さんが対談番組に出ていて、「その役を守ってあげられるのは私だけだから」と口にした。極端な役柄に、人間らしさを吹き込む想いを語った言葉。 ぼくの書く言葉は、と考えてみる。それは往々にして登場人物たちに近寄りすぎる。もっと突き放すことで…

黒沢清『トウキョウソナタ』 

絵コンテのような画面が雑然とつづく。そんな印象のまま、映画が終わってしまった。恵比寿で、映画『トウキョウソナタ』。 黒沢映画を観るのは、はじめてなのだが、どれもこういうテンポなのだろうか。編集も意図的なのかもしれない。東京のある家族を掘り下…

人生初の3時間走〜ちゃんと遊びたい!

RUN

3連休があっと言う間に終わった。 芝居ひとつ観た以外は、原稿書きばっか。うん、わかってる。仕事が遅いせいだ。 結局、最終日の午後4時すぎから、ゆっくりペースで3時間走。LSD(「ロング・スロー・ディスタンス」の略。あぶない薬ではない)という…

ARICA公演「キオスク・リストラ」〜反復の牢獄からどう抜け出すか

art

人生を凝縮する、その鮮烈な作法。10数年前、故・太田省吾の演出する舞台をはじめて見たとき、ぼくはそれに圧倒された。芝居が始まる前から、すでに圧倒されていた。だって、剥き出しの座椅子式便器と浴槽とダイニングテーブル、そしてソファ。白一色で統…

グッドデザイン賞拝見〜ヌースフィア遺伝子への脚光

どうですか? この山小屋と長屋を足して2で割ったようなパテーション!それでいて、一見無駄っぽいデザインを、150㎡の室内空間と個別空間(隙間だらけの山小屋空間)の繋ぎ役として見事に機能させている。同時に、打ち合わせ空間と作業空間との、間仕切…

皇居周回20キロ完走〜スポーツの秋を満喫

Run

結果はともかく、じつに真っ当にスポーツの秋を満喫した。 走り出す前は、強い日差しが気になった。東京駅側から地下鉄の竹橋駅までは直射日光をうけたが、国立近代美術館から、半蔵門から皇居へのアップダウンは、街路樹の木陰で涼しく助かった。というより…

K-1ミドル級・魔娑斗の折れない心

TV

心を折る、という表現と初めて接したのは、故・井田真木子さんの名著プロレス少女伝説 (文春文庫)(大宅壮一ノンフィクション大賞)。神取忍とジャッキー佐藤戦での場面だった。 仕事から帰って、そそくさと夕食を済まし、何気なくテレビをつけたら、魔娑斗…