2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

瞬時もしくは一方的コミュニケーションと、骨の折れるコミュニケーション

ある駅前で待ち合わせたG君は、2週間前とはまるで別人だった。肩辺りまでだらしなく伸びていた黒い髪は、短くこざっぱりと刈り込まれ、きれいに茶髪に染められたいた。 ある地方都市の下宿で会ったときの着古した白のTシャツと濃紺のジャージの、まるで精気…

NHK-BS2「夜更かしライブ缶」Slow Music Slow Live〜久しぶりの吉田美奈子

河合代介の、時にファンキーで時に荘厳なオルガンの旋律。それに触発されるように、吉田美奈子の歌声が池上本願寺の境内に、その夜空に客席に放たれていく。ラスベガスで見た光と水の壮麗なショーを彷彿とさせる、それは奔放自在な音の噴水みたいだった。 と…

『青山二郎全文集(上)』ちくま学芸文庫

以前、ゴッホの絵の前で動けなくなった。パリのオルセー美術館での出来事だ。それは彼が好んで書いた自画像のひとつで、彼が亡くなる前年の1889年、36歳で書いた自画像だということは、後で知った。青白い顔に、金髪のあごひげをたくわえたもので、中…

「刑務所にぶ、ぶち込まれた!?」NHK-BS1午前中の海外ニュースってお茶目

実に出し抜けだった。先日、NHK-BS1で、午前9時からの「ワールドニュースアワー」を、朝食を食べながら観ていたときのことだ。ちょうど、フランスの放送局の最新ニュースを、日本語で同時通訳していた。子供の虐待容疑で両親が刑務所に収監されたと伝えるく…

チェーホフ劇「三人姉妹」をビデオ鑑賞〜しゃべればしゃべるほど希薄になる言葉

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先々週、NHK-BSで深夜放送されたチェーホフの『三人姉妹』をようやく観た。原田美枝子や荻野目慶子といったキャスティングに惹かれたからだ。 ソビエト時代の没落貴族の三人姉妹が、両親の死後、現実にまみれながら、不本意な教師生活や結婚生活などに疲れ、…

筑紫みずえさんと田町「ヌース」で

取材をきっかけに、かわいがっていただいている筑紫みずえさんに、田町「ヌース」にご来店いただいた。日興證券に働きかけて、日本初のエコファンドを発売した女性で、現在、投資顧問会社「グッドバンカー」社長だ。てっきり、同じ会社の社員の方々がいらっ…

アメリカ大統領選挙のもうひとつの視点「演説の文体ってどうよ?」

今朝の日経ビジネス・エキスプレス(日経ビジネス定期購読者にかぎり無料配信のメルマガ)で、谷口智彦編集委員がユニークな分析をしている。アメリカ大統領候補の演説の文体分析だ。 ブッシュのそれは、短文構成で、スタッカート調でたたみ掛けて、聴衆の耳…

祝!神山典士さんwebサイト、ド派手に完成

先輩ライター、神山さんのwebサイトが完成したとメールがきた。さっそくトップページを見て、そのド迫力に思わずウケてしまった。スゲェ〜、スゴスギ〜! フェラーリ・カラーを彷彿とさせる深紅の画面、その只中に小さく浮き上げる、モノクロの本人の顔のコ…

部屋をふきぬける秋風を感じながら、「感情を吐き出す技術」を考える

昨日はビオダンス体験をきっかけに、「自意識を脱げない」自分について書いた。今日は感情を吐き出すことについて少し書く。 今週19日の朝、NHKの番組で女優、夏木マリによる『課外授業』を観た。(この番組について関心のある人は、今月12日にも書いてい…

ビオダンス初体験で分かった、「自意識をなかなか脱ぎ捨てられないオレ」

自分で言うのもなんだけど、オレって、割とオープンな性格で、飾り気もない。いや、正確に言うと、そう思っていた。だがオープンな性格や飾り気のなさと、自意識の強さはあんまり関係ないことに気づいた。41年と2カ月弱で、ようやっとだ。とほほ・・・。あ…

団塊の世代をめぐる”無知の知”、見っけ!

団塊の世代ってゆうと、どんなイメージですか? ぼくは戦後の第一次ベビーブーム世代で、全共闘世代、人数が多いせいで受験勉強や入社試験で厳しい競争にさらされた人たち。ざっくり言うと、そんなところだ。だがこの日、その世代である、ノンフィクション作…

ウィリアム・クライン『PARIS+KLEIN』展(東京都写真美術館)〜狙撃兵(スナイパー)の眼差し

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この人はモノクロの方が断然好きだ。しかもファッション写真ではなく、60年代の街頭で普通の人たちを撮影した写真がとりわけいい。こういうのを観ると、カラーの弱さを痛感させられる。情報の多さが作品の首を絞めてしまうことがある、という格好の見本だ。 …

文春ネスコ解散、迫りくる出版不況を体感!

文藝春秋社の子会社、文春ネスコが今月末で解散する。以前、同社から出版された成毛眞氏著『新世代ビジネス、知っておきたい60ぐらいの心得』(ASIN:4167656841)のゴーストライターを、私がつとめた。成毛さんがマイクロソフト日本法人の社長を辞めた直後に出…

NHK「課外授業」写真家・長倉洋海の<知らない人の笑顔>を撮る

今朝8時25分から録画しておいたNHK「課外授業」を、お昼の食事どきに観た。北海道釧路市にある長倉さんが卒業した小学校での課外授業。テーマは「知らない人の笑顔を撮る」。子供たちを教室から連れ出し、駅前や鮮魚市場の人たちに笑顔を撮影させる。これ…

マイケル・ムーア監督作品『華氏119』〜「情報がばらまかれる意図をこそ見抜け!」と男は叫んでる

かなり混んでいるという話で、友人Yが午前中に恵比寿ガーデンシネマで、4時40分からの上映の整理券1、2番をゲットしてくれた。だが出かけてみたら、230席の会場は多く見て4割ほどの入りだった。あれ・・・?混んでるのは、週末だけ?まっ、週末前の…

自分をさらけ出したいという欲望〜引きこもり経験者の言葉から

昨日、不登校や引きこもる若者を支援しているNPO「ニュースタート事務局(以下、NS)」の鍋の会に行って来た。毎週1回、鍋料理を囲んで酒飲んで、老若男女がわいわいやる日だ。NSには引きこもり生活を解消した若者たちが共同生活を送る寮が、国内外にある。…

太田哲也さん講演会のお知らせ

日本一のフェラーリ使いと言われた、元レーサー太田哲也さんが三郷青年会議所創立25周年において記念講演を行います。 題名:「Keep on Dreaming 更なる挑戦!!」 日時:9月11日(土) 15:00〜(開場:14:30) 入場無料 内容:講演に加え、…

拙著『「引きこもり」から「社会」へ』増刷決定!(学陽書房ASIN:4313860150)

本日、9月末に拙著の1000部増刷が決定しました。2月下旬の発売から、7ヶ月目でようやく二刷目です。様々な形でこの本にご尽力いただいた皆さんに、この場をかりて御礼申し上げます。どうも、ありがとうございました。小さなことからコツコツとがんば…

ヴィム・ベンダース監督『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』:おれもあんなパワフルなジジイになりてぇ〜!

衛星放送のBS-iで、ヴィム・ベンダース監督のドキュメンタリー映画『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』(ASIN:B00005HKJ7)を久しぶりに観る。ライ・クーダーが、キューバの老ミュージシャンたちを集めて同名アルバムを製作するプロセスと、米国ニューヨークでの…

大人が子供を見ていない、夫も妻を見ていない!?

昨夜に引き続き、NHKスペシャル『子供が見えない』を夫婦で観る。番組中、元女子少年院の法務教官で、今は問題行動を起こした子供と親をつなぐ教育サポーターとして、地域の自治体で活動している女性が関わった母子のドキュメントが印象深かった。 「私の成…

NHKスペシャル『子供が見えない』〜大人みたいに孤独で、疲れている子供たちの言葉

「疲れる」「大人はもっとぼくらの話を聞いてほしい」「友達や先生との関係が壊れるのが恐いから、(いじめなどは)我慢する」「殴られてたり、蹴られたりする痛みは我慢できるけど、(トイレの中などで)土下座させらるような心の痛みには耐えられない。そ…

横浜美術館「ノンセクト・ラジカル〜現代の写真Ⅲ」

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露口啓二と米田知子の作品が印象に残った。 露口さんは、北海道各地で、一度撮影した風景を後日再訪して、以前撮影した場所の左隣か右隣を撮影して、それを二枚一組でつなげて展示していた。着想が面白い。同じ場所であるという共通点と、違う日時だという相…

中華街「清風楼」どんぶり一杯!焼き飯の食べ飽きない旨(うま)み

今回の横浜3日間で、もっとも印象深かったのが、中華街「清風楼」の700円の焼き飯(右上写真)。以前、知人が絶賛していた焼き飯目当てで、中華街での最後のお昼に、暖簾をくぐった。観光客と地元の会社員らが入れ替わり立ち替わり、続々とやってくる。 …

地上49階プールの至福

2泊3日の夏休みも、いよいよ最終日。横浜ロイヤルパークホテルの49階には、会員制のフィットネスクラブがあり、ホテル宿泊客は午前7時から同10時まで、一回2100円でプールやエクササイズルームなどを利用できる。 ぼくは少し早起きして、午前8時…

引きこもり経験は生きている〜デイケア・サービスに就職したS君

人間って面白いなぁと思う。人間関係が苦手で引きこもったS君(30歳)は、それから10年後の今年6月に就職した。介護老人や痴呆症の老人の世話をするデイケア・サービスだ。 「職場でも痴呆症の人を病人扱いする人もいるんですけど、ぼくもふくめて人間…

横浜中華街「謝甜記」のお粥と、「海南飯店」のつゆなし葱(ねぎ)そば

週末起業をテーマにした単行本の第一稿がようやく終わった。そしてささやかな夏休みをと、夫婦で横浜みなとみらいで宿泊。だって今日と明日は半額セール。近頃は、半額前後の値段でしか利用したことありません(^^;) まずお昼は、中華街の「謝甜記」で、…