筑紫みずえさんと田町「ヌース」で

rosa412004-09-24

 取材をきっかけに、かわいがっていただいている筑紫みずえさんに、田町「ヌース」にご来店いただいた。日興證券に働きかけて、日本初のエコファンドを発売した女性で、現在、投資顧問会社「グッドバンカー」社長だ。てっきり、同じ会社の社員の方々がいらっしゃるものだと思っていたら、筑紫さんが30代で勤めていた外資系証券会社の元同僚お二人の4人で、テーブルを囲んだ。
 最初に、筑紫さんからお貸しいただけると聞いていた「青山次郎全文集」(筑摩書房)上下巻をうけとり、その代わりに、ぼくは近所の古本屋で見つけた、白洲正子著『なぜ今、青山次郎なのか』(新潮社)の単行本をお貸しした。そう、幸田文白洲正子青山二郎といった好きな作家が共通している点が、筑紫さんと僕の接点だったりする。
 でも手前味噌だが、白洲さんのこの本は文庫本では珍しくないが、単行本は貴重な一冊だと思う。人生の師、青山さんに対する、白洲さんの尊敬の念が込められた、青や赤のデザインがきれいな素敵な装丁だから。
 また、筑紫さんの好奇心旺盛で、独特なマイペースぶりは、OL時代から筋金入りだったらしく、色々と面白い話もうかがえて、楽しい時間だった。何より、「ヌース」の料理を気に入っていただけたのが嬉しい。
 筑紫さんも、先日の久田さん同様、子供の頃は手塚治虫の『りぼんの騎士』に憧れ、少女期はモンゴメリーの『赤毛のアン』にかぶれ、高校時代は『チボー家の人々』を読んで反戦や平和活動に目覚め、『ロマン・ロラン〜見せられたる魂』を熟読したという。やっぱり、その読書遍歴は、団塊の世代にとってのスタンダードだった。