団塊の世代をめぐる”無知の知”、見っけ!

rosa412004-09-17

 団塊の世代ってゆうと、どんなイメージですか?
 ぼくは戦後の第一次ベビーブーム世代で、全共闘世代、人数が多いせいで受験勉強や入社試験で厳しい競争にさらされた人たち。ざっくり言うと、そんなところだ。だがこの日、その世代である、ノンフィクション作家の久田恵さんにある取材でお話を聞いて、目からウロコがポロッと、いやドサッと落ちた。
 北海道で幼少期を育った彼女は、手塚治虫の漫画『リボンの騎士』で白馬にまたがった男装の麗人に憧れ、少女時代は、モンゴメリーの名作『赤毛のアン』にかぶれて、アンに負けじと、通学路を”すみれの小道”などと名づけ、友達とはお互いを洋風な名前で呼び合ったらしい。ちなみに、久田さんの名前は「ポリー」だった(^^)。
「たぶん、戦後の貧困を知っている最後の世代だと思うの。だってシュークリームなんてクリスマス会だけでしか食べられなかったし、病院に入院しての最高の差し入れはまだバナナだったんだから」
 おお!実にわかりやすい。’63年生まれのぼくは最高の差し入れ、非日常の果物はメロンだったし、シュークリームなんて、大阪じゃ「ヒロタ」のそれは日常の食べ物だったからなぁ。憧れの食べ物って、端的に世代の違いを教えてくれる。
 学生運動に参加したものの、実際には男性天下の集団で、女性はその男性に差し入れる「おにぎり部隊」としての役割しか与えられず、それに憤った一部の女性活動家が、後のウーマンリブ運動を立ち上げていったんだって。
「日本の伝統文化的なものを、学校ではまるで教わった来なかった世代なの。だからリカちゃん人形だったり、私のニックネームもポリーだったりしたわけ。特に女性は、頭の中はラジカルだけど、生活は保守的な人が多くて、ベビーブーマーだったせいもあるけど、まだまだ就職もままならず、大半の女性が主婦におさまったわけ。だから、私なんて今でもプライベイトでは、コシノヒロコみたいに、ちょっと袖がふくらんでたり、フリルが付いてたりする服とか着てるのよ」
 アメリカンポップスが大好きなのも、アイビールックが流行ったのも、アメリカかぶれこそが、当時の若者文化そのものだったから。「赤毛のアン」が好きだったのも、そこにプディングやパイなど、見たことも食べたこともない美味しそうなお菓子が登場したことが大きかったという。その世代の人の憧れの食べ物ってリアルに、その当時の空気を伝えてくれるよなぁ。
 久田さんが言うに、その一連の文化的背景は、団塊の世代の女性では割と王道らしい。みなさんのまわりの団塊はどうよ?
団塊の世代」―何気なく使っている言葉だけど、実際には全然知らんかったわ(^^;)。やっぱ、この高度情報社会っつう場所で、物事の真実なんてな〜んも知らんまま、死んでいくんだろうなぁと改めて痛感させられた、”無知の知”な出来事でした。

団塊の世代 http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%C4%B2%F4%A4%CE%C0%A4%C2%E5