NHK総合『一期一会 キミにききたい』〜対話なき時代の「対話」番組 

 偶然にチャンネルを合わせてから、気がついたら、『一期一会』を毎週観るようになっていた。たとえば、映画監督志望と会社員、あるいは人生に踏み出しかねているニ―トと牧場勤務。まるで生活環境の違う者同士が出会い、相互の職場を訪れて対話を重ねながら、他者への想像力をふくらませたり、自分の閉じていた心の内を吐き出したりする。そこで嗚咽したり、能面のような表情からとびきりの笑顔に変わる。その変化ぶりがリアルでいい。
 今週は、周りの友だちに合わせようとして自分の殺していたせいで、気がついたら友だちが一人もいなくなっていた20歳の女の子と、練習仲間と意見を戦わせあう大阪のSKD歌劇団の女性だった。歌劇団の彼女に、「なんで?」攻撃で追い詰められた20歳が、涙ながらに「これからは自分から自分のことを伝えていけるように頑張ってみる」と決意表明していた。
 甘っちょろいと、吐き捨てる人はかならずいるだろう。だが思わず涙があふれてき、そのおかげで自分も裸になれて、全身で集中して対話していく。そんな経験は滅多にできるはずはない。
 営業職を除く普通の人は、毎日同じような人間関係の中でいきている。そこで会話することはあっても、対話することなんてあまりない気がする。Eメールは相手と向き合っていない以上、対話にはなりえない。もちろん、向き合っていたって対話ができている保証なんてない。
 あなたは最近、誰かと対話したと感じたことはありますか。