猛暑をしのぐ愉しみ茶2種〜心地よくだまされたい生き物 

rosa412007-08-16

 いくらお茶好きとはいえ、夏の只中で熱いお茶は飲みたくない。
 そこで夏はいつも2リットルの水に、麦茶の紙バック2個を入れ、冷蔵庫で冷やして愛飲していた。ところが、今年は食後や仕事の合間に愉しめるお茶があらわれた。キリン生茶醍醐味だ。この濃くはお茶好きにはたまらない。近頃は、近くのス―パ―で2リットル入りをまとめ買いしてきては、お気に入りのアイスクリーム用の器に注いで、ちびちびと愛飲している。ささやかな心の涼だ。
 もうひとつは、一保堂茶舗のグリーンティー「宇治清水」。濃くのある抹茶に少し甘めのグラニュー糖を加えたもの。ぼくが好きなのを知っていて、奥さんが新宿西口の百貨店で買ってきてくれた。400グラム入りで750円。これは冷水にも冷たい牛乳にも合う。
 去年の夏、京都に出かけた折、寺町京極商店街からてくてく歩いて、市役所より少し奥まったところにある、一保堂茶舗本店に向かった。目的は、いり番茶だった。が、入店するなり振る舞われたのが、細かな氷片まじりの「宇治清水」。暑い日ざしの中をたどりついたせいか、抹茶の濃くと少し強い甘みに心をわしづかみにされた。まっ、お店側の「思う壺」という見方もあるだろう。
 が、そもそも異性にもモノにも、あるいは夢にだって、人は心地よくだまされたい生き物ではないか。その想いがかなうかどうかは別にして、生涯何かにだまされどおしで終えられるのなら、そんな甘美な人生はない。