書店回り(パート2)

rosa412004-03-05

4日付け朝日新聞(関東版)25面家庭欄に、『「引きこもり」から「社会」へ』(学陽書房)の紹介記事が出た。拙著の意図をきちんと受けとめてくれた、嬉しい記事だった。
 記事が出た4日当日は、別件の取材後、新宿駅南口のキヨスクで朝日朝刊5部を買い占め。前回営業した大手書店の担当者に手渡して回った。新宿駅東口の紀伊国屋本店4階の教育コーナーでは、すでに記事でポップを作っていてくれて、嬉しかった。
 だが同日夜、せっかく記事が出たのだから、ポップ広告を作って営業するしかないと思った。ところが担当編集者は「営業代行がやりますから」「書店に記事のFAX流しときましたから」というばかり。
 そこで他人はあてにせず、手作りポップ広告を作り、夫婦で手分けして書店回りを敢行!前回は、出版社の営業担当が、事前にアポ取りしてくれた書店だけだったが、今回は完全な飛び込み営業だ。だが片手には朝日の記事がある。もう千人力のはずだったが・・・。
 八重洲ブックセンター東京駅前本店を皮切りに、山手線沿線、そして横浜、川崎駅近辺の大型書店30店舗近く回ったが、平積みしていてポップを置けそうだったのは7店。教育、社会学、心理と書店によって置いてくれている場所が違うのだが、一冊も置いてないところもあった。
 駅の階段や百貨店や大型書店のエスカレーターを急いで上り下りして、午前11時の八重洲から午後八時前の川崎まで、ポカリスエット2本で喉を潤しながら頑張った。情けないが、自宅に戻るとけっこうヘトヘトだった。
 前日の朝日の記事で喜びにふくらんだ気持ちは、この日の書店回りでゆっくりと
しぼんでいった。世界はやっぱり広くて大きかったし、それに比べて実にちっぽけな自分を痛感させられた。
 それは川遊びの経験しかなかったボートで初めて大きな海に漕ぎ出したときの、戸惑いや無力感に似ている。雑誌に署名記事を書くという通常業務と、自分の署名で本を出版して売ること、買ってもらうことは、当然ながら、まったく別の次元の事柄だった。「海は広いな、大きいなぁ」という童謡がなぜか口をついて出た。だが、その大きさを体感できたことは大きな財産になるとも思う。
 横浜駅のルミネ6階?の有燐堂書店に行くと、若手もコーナー責任者の書店員も、朝日の記事を見ていてくれて、「お待ちしてました」と笑顔で迎えてくれたときは、再び涙腺が熱くなりかけた。皆さん、あそこはプロフェッショナルがきちんと現場に出ている書店ですよ。本が売れない昨今、書店員さんも大変だろうけど、見るからに頼りないバイトが多い店と、きちんと本を吟味して並べて、お客さんともコミュニケーションがとれるプロがいる店もある。
 一方、奥さんは八王子から新宿まで中央線で大きな駅を中心に13店舗中5店
(平積みは3店のみ)にポップを置いてもらったらしい。彼女もかなり疲れた様子だった。夫婦合わせて約45店舗回って、平積みは約10店舗。約四分の一だ。