白洲正子『日月抄』(世界文化社)〜自分をつくることが人間の仕事

rosa412004-08-02

 近頃、うちの近所に、割とこぎれいな古本屋が開店した。先週、そこで世界文化社から出版されている白洲正子さんのエッセイ集
を6冊まとめ買いした。すごく本の状態もよく、500円引きだったので、3000円もお得な買物だ(^^;)。
 見るからに大人しそうな三○代の息子が店主で、これまた穏やかそうな母親がおっかなびっくりレジ係をつとめている、広さ10畳ほどの小さな店だ。
 さっそく読み始めた『日月抄』(ASIN:441895516X)の巻頭に「新しい女性のために」と題された文章があり、読み始めから、いきなり心をわしづかみにされてしまった。少し長いが、以下、引用する。

人間をつくる以外のところに、人間としての仕事はないということ。
学問も教養も、、文化も知識も、すべてはただそれのみのためにある、と
いってもよろしい。それのみのために利用すべきです。それは自分以外の
ところにあるのではなく、手足の隅々まで行き渡る筈のものです。ただ観察
したり、目で読んだり、耳に聞いたりするだけでなく、よろしく食べてしまうに
限ります。頭でっかちは通用しません。四肢の隅々までのびのびと育った
人でなくては、健康な美しさというわけにはゆきますまいに。」

「人間をつくる」が、「よろしく食べてしまう」へ、さらには「健康な美しさ」へとつらなっていく点に、しゃっきと背筋がのびた白洲さんの美意識を凝縮したような文章だ。
 この猛暑を背筋を正して乗り切るには、絶好の6冊だと一人悦に入っている。


白洲正子著書一覧
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