種村エイ子著『「死」を学ぶ子どもたち』(教育資料出版会)

 図書館で借りてきた、残り一冊が種村さんの『「死」を学ぶ子どもたち』(ASIN:4876523525)。種村さんを取材したいと思って、企画書を書くために借りて、こちらはまだ読んでいる最中。97年に胃ガンのため、胃全部を摘出。その後の失意をへて、自身の体験をもとに、図書館学の大学講師でもある彼女は、自分のガン体験と、死や生をテーマにした本を活用しながら、子供たちに「死」を考えさせる「いのちの授業」を始める。
 大人でもビビリそうなテーマを子供に教えるのは至難の技ではと考えがちだが、実際は違う。その授業の部分を読むと、ペットの死や祖父母の死などを経験している子供もいて、子供なりに今生きていることとの延長線上で死を的確にとらえ、だからこそ今日を精一杯生きなければという前向きな文脈に落とし込む子供が多いという。ふ〜ん、子供って大人よりキャパシティが広いかもな。小学生が同級生の命を奪ってしまう世の中だからこそ、死から生を考えるアプローチは有効かもしれない。
 そもそも、デス・エデュケーションは、ベトナム戦争などをきっかけに、1960年代のアメリカで始められたらしい。いのちを授業をぼくも見学したくなってきた。