ざんまい京都(4)大徳寺・高桐院〜緑の宝石みたいな参道

rosa412005-05-07

 不思議な雨だった。紫野・和久傳でランチを食べはじめると、雷雨かと見まがうような激しい雨がふり出した。京都駅からバスで40分ほどかけて向っている間は、厚い雲の間から日がさしていたのに、だ。その日、店2階カウンターの客は私たち2人だけだったのだけれど、最後のデザートを食べ終えると、なぜかぴたりっと雨は止んだ。
 おかげで、予定通り、奥さんと大徳寺高桐院に向った。ここの広い境内には、それぞれ有名な庭をもつ四つの搭頭があるけれど、その中でも、昨夏、別の取材前に訪れたときに、目がくらみそうになったのが高桐院の参道だった。和久傳本店でのランチが決まったとき、食後に奥さんをそこにだけ連れて行ってあげようと思っていた。
 直後に降った激しい雨が、この参道の光る苔や青々とした紅葉の葉をより艶やかに洗ってくれていた。(右写真ではうまく伝わらないかもしれないが)観覧料400円が必要な高桐院内の庭も華やかではないが、野趣あふれている。しかし、この参道だけなら無料だ。
 上記の黄緑色の「高桐院」をクリックすると、紅葉時の写真も見られる。以前、JRのテレビCMでも、真っ赤に染まったこの参道が登場していたのを、ご記憶の方もいるだろう。残念ながら秋にはまだ行けてないが、春から夏にかけても、見る者の現実感をふっと麻痺(まひ)させる力をもっている。もちろん、奥さんも「きれい!」と声をあげてくれた。
 最後に、大徳寺はこの他、龍源院や大仙院の枯山水の庭も見事だということも、庭園フリークとしては付記しておきたい。午後の日程全部を、大徳寺で費やすつもりで行かれても損はない。