ユニクロ柳井社長の射程の遠さ「成長なくば死も同然」〜日経ビジネス最新号特集

高いハードルを設けて、そこに到達する方法を考え抜くこと。これが会社や個人の成長につながる。目標を作ってそこを目指さない限り、到達できないし、目標がない限り衰退すると思いますね。

 同誌に掲載された柳井の言葉が、胸に刺さるかのようにズシンと響いた。会社組織に所属した経験がないせいか、おれは今までそういう場所で一度として生きてこなかったなぁという反省とともに。
 定期購読している日経ビジネス最新号の特集「ユニクロ作り直し 柳井正 無限成長への執念」はひさびさに読み応えがある特集記事だった。周辺取材もきちんとできていて、今ユニクロで、柳井氏の胸中で何が起こっているのかがよくわかった。
 営業利益率15%という高収益企業に、いち早く大企業病を兆候を見抜き、「経営体制をぶっ潰す」覚悟で社長復帰した柳井氏。その狂気めいた熱情には、取材者として心惹かれる。ただ、それ以上に、冒頭の言葉が今なぜ、自分の心に強く刺さったのか。
 先の郵政解散の小泉氏同様、ぶっ壊せる「ポジション」とぶっ壊せる「舞台」を持っている人の「狂気沙汰」にこそ、いまどき希少な読むべき物語があると思う。くしくもそれは、23日の写真展で感じた「射程の遠さ」であることにシンクロニシティも感じる。そう、今までの自分に一番欠落していたものだ。