ニートの彼の「とほほ」失恋話・・・それでも青春は輝く!?

rosa412005-09-28

ひさびさに再会したK君(22歳)と、あれこれ話をしていたら、彼がいきなり失恋話を語り出した。彼は今、ニュースタート事務局というニートの支援団体で、同じ若者たちと共同生活しながら、いろいろな仕事体験を積んでいる。
 どうやら、ニート支援団体の集まりで、他の団体の女の子とメルアドを交換して以来、ひんぱんなメール交換が始まり、時には深夜3時までやりとりしていたという。そこで彼は「これはオレに気があるぞ」と思い込んでしまったらしい。その彼女がK君が活動している団体に先日遊びにきた。
 そこで、さっそく告白したら速攻でフラれたようだ。しかし彼女は彼女で、そのとき他の男の子に一目ぼれしてしまい、速攻で告白。K君の失恋30分後、しかも彼の目の前で、めでたくニートカップルが誕生したという。でも、失恋することはあっても、その30分後に目の前で、その相手がカップルになる瞬間を目撃するなんて、めったにない経験だろう。
「はい、ですから、とても勉強になりました」
 と快活に笑って話す彼に、ぼくも大笑いしながらも、彼のたくましさを実感した。
 彼と初めて会った半年前は、まだ彼が自宅にいて、その団体で寮生活を始める前だった。色白で痩せていて、感受性は鋭そうだが、針金みたいに線の細い男の子だった。彼がマスコミ志望だというので、ぼくがどうして今の仕事についたのかという軌跡と、いろんな取材の中で会ったステキな人たちのことを彼に話してあげたら、とても喜んでくれた。
 そして今日の彼は、すっかり日焼けしていて、髪も茶色に染めて肩まで伸びていて、ちょっと先のカンヌ映画祭で主演男優賞をとった日本人少年に似た感じだった。
「実はこの前、同じ歳のOLの子と知り合って」「あと、千葉大学の女子大生が夏休みにボランティア活動できていて」と、やたら女性の話がつづいた。寮生活にも意外とすんなり馴染み、友だちもたくさんできて、たった半年でここまで変わるかと、彼の話を聞きながらぼくは驚いたり、感心したり、大笑いしたりした。
 実際に一人のニートも知らないのに、「ニートはあーだ、こーだ」としゃべる人たちに、彼の失恋話や、そのすごい変わりっぷりを教えてあげたいよ。
「実は、そのOLの子が二週間前に千葉まで来てくれて、一緒に食事してカラオケ行って、すごい盛り上がったんですよ」
 とK君。だが二人っきりではなく、彼女がボランティアで関わっている身障者の人も一緒だったらしい。
「で、その後、お礼のメールとか彼女に送っておいた?」
「いや、それがまだ何も・・・」
 ここがK君の面白いところだ。その女の子との今後の展開について、冒頭に書いた失恋した女の子に、メールでアドバイスを求めてたんだな、これが。その彼女は「どんどんメールするべき」という意見だったらしい。にもかかわらず、前回の失敗から、あまり急ぎすぎても失敗するからと、何もできないまま時間だけが過ぎていってるらしい。
「かならず今日中に、『この前はわざわざ遠くまで、ありがとう』とか、『その後、元気ですか』とか、軽くメール出しておかなきゃ」と、ついつい世話焼きオバサンみたいなことまで言ってしまったオジサンは、この私です(^^;)。