安倍司著『食品の裏側』(東洋経済新報社)〜幸福を実感しにくい国

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 
 今月末に出る私の本の編集担当者N君(26歳)が、今夜のTBS『ニュース23』に映っていた。食品添加物をテ―マにした今夜の特集で、彼が担当したベストセラー(現在30万部)『食品の裏側』の著者が登場していた絡みで、彼も映っていたのだ。その本がわんさと書店に平積みされている映像もしっかり映っていたから、また増刷だな。
 N君から送ってもらって読み始めたばかりだが、かなりの問題作。家にある食品の裏書を全部チェックしたくなる内容です。グルメ情報が氾濫する一方で、食品添加物の情報はかなり曖昧で、商品の裏に書かれているが消費者の関心も低い。
 結局、偽装マンション問題同様、メーカーと消費者が「安さ」と「効率」ばかりをいたずらに追求した挙句、安全じゃない住宅や食品が、世の中にあふれてしまっている。根っこは同じ、ブラックジョークめいた現実だ。
 そしてサラリ―マンの友人たちは、職場で「うつ病」が増えているとか、毎日帰宅が深夜だとかでひどく疲れている。テレビCMばかりが騒々しくて華やかだけど、多くの人が幸福を実感しにくい奇妙な国で暮らしている。もちろん、私だって他人事ではない。