「神田藪そば」での平日昼間のまったりビール

rosa412006-04-18

 手頃な費用で、自分なりの極上の時間を過ごすこと―大阪人ゆえか、あるいは単に金欠病のせいか、そういう執着はかなり強い方だと思う。っていうか、どうせいつかは跡形さえなくなる生き物には、それが最高の抗い方だから。
 平日午後の極上の時間スポットのひとつが、神田藪そばの午後2時から4時頃。ランチタイムが終わって閑散とした時間帯だ。濃くのある辛さの練り味噌を舐めながら、ビールをちびちびすすり、あいがものネギと、鴨肉のロースのそれぞれの甘みに舌鼓を打ち、よく手入れされた庭の新緑を揺する風を頬に感じる。ああ、まさに天国だと思う。
「せいろ、二枚ぁ〜い」―熟練の女性店員さんのゆったりした声が店内に柔らかくひびく。百年前にタイムスリップしたような錯覚をおこさせる店内の雰囲気と、たゆたう時間がまったりと溶け合う感じがとてもいい。
 今日は、アーティストの藤代裕さんと遅い昼食を、神田藪そばで満喫した。先日の個展で購入した作品「エレガント・クライム」の受け取りもかねてだ。彼もあの店を気に入ってくれたみたいで良かった。