「立冬」でフリース

 あんまりないけど、日本人に生まれてよかったと思うことが時々ある。
 「立冬」という言葉を持つ国の人間だっていうのは、もっとみんな自慢していい。ふっと背後に冬めいた気配を感じるニュアンスとか、氷柱(つらら)が屋根から下がっている情景。唐突に吐息が白く際立って見えたときの覚醒する感じとか、懐手するみたいにさまざまな情景を、「立冬」という言葉はたくさん抱えもっている。大いに胸をはっていいチャーミングさだよね。
 立冬の今日、夕方になると思わず青色フリースに袖を通した。今年初めて。おもわずニンマリしてしまう温かさだ。着るだけでこんなにポカポカして、しかも安くて軽い。やっぱり画期的な商品だよなぁ。もう、これからは家着としては手放せないよ。これになれちゃうと、アルパカのセーターなんて重くて着てられない。たまに外出のときに着ても、なれないせいか妙に肩あたりが疲れてしまうから。
 どちらかと言えば夏好きなので、寒いのは苦手だけれど、フリースのポカポカ感は好きだ。思わずニンマリしてしまう。