サタカフェ‘07

普段の暮らしから「地球」を感じ考えてみる     
正しくて立派な」から「あれこれ腹も立つけど面白い」国際協力へのヒント』第3回
「国際協力」と聞いて、「必要だし立派なことだけど、私には無理…」と思ってません?じつは、日本でもできること、関わることで得られるものってけっこうあるんですよ。
医師で、NPO法人宇宙船地球号』代表でもある山本敏晴さん(41歳)は、まさにその国際協力の最前線にいます。彼が最初に作った写真絵本『あなたのたいせつなものはなんですか?』(小学館)に載せた、カンボジアの人身売買を描いた一枚の絵ついて語っています。
「その絵を描いた理由を女の子に聞いても暗い顔をしているだけ。学校の先生から戦争で父親を失い、母親も病気で働けないので、姉を売春宿に売って生活費と妹(女の子)の学費にしていると聞きました。母親に会うと絵の背景がもっと見えてくる。そんな『目から鱗』の連続」
 歯が立たないような現実の前で、まさに途方にくれる山本さんの姿が見えてきます。
 小学校6年生のアフリカ旅行で彼が見た南アの人種差別。そして一方的に押し付ける国際協力への懐疑。「国境なき医師団」として赴任した、平均寿命34歳の国シエラレオネ(西アフリカ)で下痢に苦しみながら、信頼できるスタッフを育てて病院を再建した経緯など。
反面、世界をフィ―ルドにしている山本さんの趣味は「将棋のパソコンゲームとPS2のゲーム」と、妙に引きこもり系なのも人間臭くていい。
彼の話は「正しくて立派な」ではなく、「腹立つけど、やっぱり面白い」国際協力の魅力に気づかせてくれるはずです。想像力のアンテナを少し伸ばしにお越し下さい。(文責・荒川龍)
日時)2月10日(土)午後6時開場  6時半開始〜9時半終了予定
       (ゲストのト―ク&サイン会、ディナ―およびゲストを囲んでの交流会)
会場)オーガニック・カフェダイニング『ヌースフィア』(JR田町駅三田口徒歩2分)
ゲスト)山本敏晴さん:医師・NPO法人宇宙船地球号』代表(http://www.ets-org.jp/     
     1965年、宮城県生まれ。中学時代から海外を回って写真を撮りながら、一方的な国
     際協力の在り方に疑問を感じる。90年慈恵医大卒。01年シエラレオネ、02年アフ
     ガニスタンで医療援助。04年、東京都から『宇宙船地球号』が認証。著書は『世界
     で一番いのちの短い国』『アフガニスタンに住む彼女からあなたへ』(白水社)など。
 料金)4500円(ト―ク&ディナ―withワンドリンク)/ 学割3000円
 お問い合わせ)「ヌ―スフィア」(03−5730−0881)