サタカフェ第4回『普段の暮らしから「地球」を感じ考えてみる〜たまには視・聴・臭・味・触の五感ぜんぶを使って』(in 田町「ヌースフィア」)

rosa412007-05-26

「小学校で特別授業をやったときに、鯰(なまず)があくびをした瞬間を見た生徒がいたんですね。そこで彼は、グーグルで検索してみた。『なまず あくび』って入力しみたら、まるでヒットしなかったんですね。でも、その『わからない』ということが、彼にとっては素晴らしいことだと思うんですよ」
 西村さんのその言葉に、ホスト役のぼくはグッときてしまった。そうだよねぇ、グーグルで検索してもわからないことの方が、世の中にはじつにたくさんある。そんな当たり前のことが、当たり前でなくなっているイマドキの情報化社会の異常さや倒錯に自覚的でありたい。「わからない」の向こう側へ、各自が想像力を働かせたり、何かしらの行動を起こしてみることでこそ、物事を考えることが本当に始まる。
 ・・・と書きながら、ついつい仕事柄、僕も検索してしまうんですけどね(^^;)。頭の片隅には、なんとかその視点を置く余地は保っていたいとは強く思う。
 ゲストに西村佳哲(デザイン事務所リビング・ワールド代表)をお迎えした今回は、23人に集まっていただいた。今回も途中、人が来ないかもという不安に苛まれたけれど、とりあえず毎回20人前後の方に来てもらえているので嬉しい(しかも初めてお店に来ましたという人が意外と多い)。
「スケール(尺度)を替えてみる」「時間は人工物」「たとえば目を閉じて、誰かに誘導してもらいながら町を歩いてみるだけでも、他の感覚器官がたちまち活性化してくる」「仕事に自分を近づけるのではなくて、自分に仕事を近づけてみる」・・・・・・たくさん、西村さんからいいキーワードが出てきて、ぼくはひたすらそれを噛み砕いてもらったり、感心してみたり、自分なりに咀嚼(そしゃく)することを繰り返した。
 終了後、書いてもらったアンケートを見ると、それぞれ3時間半あまりを楽しんでもらえたようなのでよかった。個人的にも、人前に出て最初に一人で話すときも、あまり口の中が乾かなくなってきて、少し成長した感があるオジサンでした。