日経ビジネス今週号が面白い〜本当の大人がいない国 

 まず巻頭の辰巳芳子さん(料理研究家)の言葉がガツンとくる。

 食は命に関わることです。政府には命を愛惜し、長期的な視点で農業政策を立ててもらいたい。それがないから、お米の値段を上げたり下げたりして農業者の振り回す。だから農業をやってくださる方が減ってしまうのです。
(中略)
 食料の自給率が39%というのは独立国とは言えないということに、本当の大人は気づかなければいけません。

 これは反語だな。日々のニュースで頭下げてるオジサンたちを見てれば、本当の大人なんて育っていないことがわかる。前にも書いたが、経済財政諮問会議のメンバーの東大教授が、「米なんて野菜みたいに輸入しちゃえばいいんですよ」なんて厚顔無恥に言い放ってるんだから。


 昔は国内でも作っていた小麦も、今じゃ輸入が大半。輸入先第一位は、親分アメリカ。それがエタノール燃料がらみで小麦価格が高騰して、インスタント食品から焼酎にいたるまで一気に値上がりして、消費者の家計を圧迫してるのを見ても、穀物施策の誤りは明らか。穀物の価格決定権を外国に握られることの恐さには、もっと敏感であるべき。一方の消費者も「輸入すりゃいいんじゃないの?」、あるいは「安くて簡単」が人気。そのくせ「冷凍食品」に農薬が見つかったら大騒ぎ。それって自業自得じゃないのか。

 
 特集・株式会社自民党「倒産かV字回復か」も、与党を会社に見立てて、商品開発力のなさ、若手育成システムの無さ、リ―ダ―シップの欠落をわかりやすく解説していて興味深い。やっぱり、今年のキーワードは「縮む」だな。