サッカーをめぐる言葉(1)〜岡田監督を”詩人”と書く感受性
日本人として悪い気はしない。
だが、おいおい、そりゃあ、どう見てもほめすぎ、いや、もしやパラグアイの回し者で、ほんとは、ほめ殺し? そう思うようなサッカー日本代表への海外メディアの評価
を読むと、耳たぶの裏あたりがこそばゆい。
その記事の中でも、仕事柄、もっとも心惹かれたのがイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』の岡田監督評。
「プレーに適切な韻を踏む、“詩人”監督」で7点と、高い評価らしい。日本の”スポーツ楽屋裏事情新聞”とは大違い。
イタリア在住の筆者によれば、イタリア語の「poeta(詩人)」には、夢想家という意味もあり、そこに岡田監督が大会前に「目標はW杯ベスト4」を宣言したことに引っかけているのでは? と指摘している。
さすが、「ファンタジスタ」という言葉をもつ国。
その「poeta」を通して、サッカーにそれぞれの生きざまを重ね見て、人生の酸いも甘いも味わいつくそうとする人たちの感受性にふれた気になる。それは、日本人が「演歌」にまとわせてきたものと、案外似ているのかもしれない。