「京都慕情」は錆(さび)つかない

 夕食どきにテレビを観ていて、エンディングに流れてきた曲にふいに気持ちをさらわれる。普段と代わり映えしない日常に少し細波(さざなみ)が立つ。言葉数が少ないからこそ行間がふくらみ、旋律がシンプルだからこそ深くひびく。武田カオリの透き通った声がそれに拍車をかけている。これは単に歳をとったということか。