”表現の自由”フィーバー

　日経新聞編集委員、谷口智彦さんという人の記事を、ぼくは割と信用している。その谷口さんが「日経ビジネスエキスプレス」というwebサイトで、弾道ミサイル予算通過が、国会でさしたる議論もないまま可決成立、また新聞もそれをきちんと報道していないと指摘している。
　ちなみに弾道ミサイルとは、敵がミサイルを発射したことを察知して、それを迎撃するミサイルのこと。ちょっと考えただけでも、かなりの困難が伴いそうな話だ。
　確か、この計画が明らかになった頃は、新聞各紙が一面で大々的に報じていた。そのときから、かなりの困難と開発予算が伴うため、アメリカは日本にもその開発資金を負担させる考えだと、指摘されていた。
　だが、それが何気に、防衛庁の１０６８億円の予算とともに可決されちゃったという。谷口さんらしい、いい仕事だと思う。
　一方、新聞や週刊誌は、そんなミサイル話じゃあ、売れねぇぜとばかりに、先の週刊文春の真紀子の娘の離婚報道で、”表現の自由”をめぐり、オヤジたちがやたらと熱い。
　このチグハグさが、とても象徴的だとぼくは思う。以前紹介した辰巳渚さんのメルマガでも、この文春騒動を、下品な記事の是非をさしおいて、”表現の自由”論争に燃える”マスコミ村”業界と、一般読者との乖離を指摘している。ユーザー軽視だと。
　自由という言葉は大きすぎて、あまり使いたくないけれど、それぞれの義務や責任を果たしてこそ、主張すべきものだろう。
　知らせるべきことを知らせず、単に有名政治家の娘が離婚した程度の話を、”表現の自由”にとっては死活問題だと大騒ぎするのは、カルガモやタマちゃん・フィーバー並みだよね。カルガモやタマちゃんに失礼？
　谷口さんの記事は以下
http://nb.nikkeibp.co.jp/members/COLUMN/20040331/105672/

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