横浜美術館「イメージをめぐる冒険」展〜シンプルで強い視線

 横浜まで行ったついでに横浜美術館へ。みなとみらい周辺は大勢の人でごった返していた。しまった、GWに美術館行くのは失敗だったかなと思いながら入館すると、ガラガラだった(^^;)。
 5つのキーワードで、国内外の作品を集めるという美術館の力量が問われる展示。ダリやマグリット森村泰昌や宮島達男などの作品が並んでいる。意欲的で面白い。でも全体的には国内アーティストの非力を感じる。
 一番好きになったのは、柳幸典さんの二つの作品。様々な苗字の印鑑の赤印で、日の丸の赤い円部分を描くというシンプルなもの。全体に埋没してしまう個人のありようを、こんな端的な形式で表現している目線が素晴らしい。
 また、ウルトラマンウルトラセブン人形を整列させて、北朝鮮マスゲームを彷彿とさせる作品も、個と全体の関係を違うアプローチで見せている。みずからの社会観や着想などに、美的な形式を与えて表現する。そんなアートのパワフルさを改めて痛感させられた。興味のある方はぜひ。
 また、コレクション展で、木村伊兵衛土門拳などのポートレイトが観られるのも楽しい。

横浜美術館
http://www.ear-th.net/~art-museum/kikaku/