スピードを感じるとき

rosa412004-06-08

 今日、最寄のジムのプールで泳ぎながら、ふと身体がリラックスして、水に乗ってる感触を味わう。まめに泳いでいる割には、全然上達しないんだけど、今日はちょっと嬉しかった。水中の自分にスピードを感じたからだ。水に乗ってる感じ、いつもの力んで重たくなる体ではなく、リラックスして軽い、「お魚気分」みたいなイメージとでもいえばいいか。
 実は先月に入ってから、近くの小学校のグランドを週1回走ってもいる。でも10分から初めて、最初は身体が重くて仕方なかったけれど、週1回でも続けていると、少しずつ少しずつ、身体がそれに順応してきてスピードを(傍目から見ると、のろのろジョギングにしか見えないだろうけれど)感じるようになる。もちろん、それはけっして長くは続かない。だが長続きしないからこそ、とても貴重だ。
 中年と呼ばれる年齢になって改めて、自分にスピードを感じる瞬間が貴重だと思えるようになった。日常からほんの少し足が浮く感じとでもいえばいいか。
 別にスポーツに限らなくてもいい。恋愛してるときだって、人はじゅうぶんパワフルだし、とんでもない行動力やスピードを発揮したりする。仕事だって高い集中力や果敢な行動力を発揮できていた時期もある。一冊の本を朝までかけて一気に読んでしまう感じとかもそうだ。
 だが中年といわれる年齢になって、そういうスピードを自分に感じる機会がかなり減ってきている。むしろ、日常の中では自分の遅さを感じることばかりだ。
 だからこそ、こまめに重たい身体を動かし、そのスピード感覚をあさっているのかもしれない。年齢をかさねれば、いやでも増えてくる知識や経験にあぐらをかいて、謙虚さや懸命さを失っていく自分に、生き物として衰えるばかりの現実を突きつけて、無意識にバランスをとろうとしているのかもしれない。