衆議院選挙、あなたの投票行動はどうよ?(最終回)

○Eさん(男性・会社員42歳)
小選挙区自民党
比例代表自民党
選挙結果:(自民と民主の)どっちが政権とっても政策には違いがないと思う。実現できる可能性が高い体制がベター。素直に良かったと思う。
小選挙区比例代表郵政民営化は、まずは、民営化する。そこから次の人が作れば良い。
壊す人と作る人は別。会社の経営もそうだと思います。次をどうつくるかを考えながらやると壊せない。規制概念、既得権益を壊すのは痛みを伴うので、容赦なくしないとだめ。
 年金問題社会保障なども世代間の不公平をなくす。せめて収めた金額が支払われない1960年以降の世代にとっては年金も税金と同じ。
郵政にしろ年金にしろ、まずは壊す」
選挙結果「全ての法案を通せる議席を確保したのだから、できるだけ既存の概念を壊すことが大事。難しいことを難しく語るやるが偉いのではなく、難しいことの枝葉を殺ぎ落とし単純な構造にして進めることが、偉いやつと思う。
 民主はそのポイントで失敗したと思う。得票総数以上に議席が開いたのは、小選挙の制度もあるが、もし議席が拮抗したならば、今後何も変わらないことに陥ったと思う」
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 Eさんの意見で「どっちが政権とっても政策には違いがないと思う。実現できる可能性が高い体制がベター」という点は、なるほどねと思った。そういう判断をする人は、たしかに一定数いただろうしね。そこは民主党のアキレス腱でもある。
「壊す人と作る人は別」という見方も、中堅会社員が言うと、妙に説得力があるように聞こえてしまう。それは会社員経験がない、私のコンプレックスゆえか?
 ただ、憲法改悪を心配する私には、彼は「(自民党単独で安定過半数で)確かにフリーハンドだけど、外交的(憲法)にもそんなに自由にできないと思う。外圧があるから、私はそんなに心配していない。日本の政治家がそこまで馬鹿だったとしたら、みんなでこの国捨てれば良い。そうなりはしないよ。きっと」とメールをくれた。うーん、やっぱり刹那的だ。
 一方、今日配信された「日経ビジネス・エクスプレスメール」で、小橋昭彦さんが、先の選挙について、「ネタに投票する心理」というユニークな視点を提供している。
 ネット上も、小橋氏が暮らす地方の井戸端会議でも「小泉、すげぇ〜」的な気分が共有されていたことを起点に、「我々は、人ではなく、党でもなく、政策でもなく、(選挙)ネタに投票しているのではないか」と。「利害団体も地盤もない政治家が増えていく今、ともするとマニフェスト政権公約)までいかず、ネタで勝負する政治を喜ぶ土壌が生活者の中にある可能性」に言及して興味深い。
 最後に、今回はお忙しい中、ご協力いただいた5名の皆さん、本当にありがとうございました。それぞれ、私が見えていない、あるいは考えもしない視点などがうかがえて、とても刺激的でした。