肥大する竹中郵政相の発言権だって

 日経新聞のHP「NIKKIEI NET」の下に、「NET EYEプロの視点」というコーナーがある。
11月30日付けで、そこに、小泉改革の司令塔「経済財政諮問会議」の異変という論説が掲載されている。この記事は、今、小泉政権内で起きている変化が伝えられていて面白い。
 同会議は、トヨタ会長らと大学教授らの官民有識者で構成されていて、竹中現郵政相とこの会議が、小泉「改革」のシナリオを作ってきたといわれる。小泉の個人シンクタンク的存在で、自民党や官僚らとの確執をくりかえしながら、小泉のやりたい「改革」を推進してきた。
 同記事では、先の総選挙での大勝をうけて、この会議メンバー内で、竹中郵政大臣の独断専行が目立ちはじめ、その結束が揺らぎ始めていると指摘している。竹中氏は参議院議員にもなり、学者から政治家然たる変貌をとげつつあるという。その権限や発言力は、小泉後にも多少形を変えたとしても、継続されるだろう。
 小泉政権発足当初は、自民党橋本派や、反主流勢力から徹底的にいじめられてきた竹中氏。だが小泉大勝で、すっかり権力中枢で、確固たる地位を築き上げたらしい。今後、竹中氏の顔つきや言動がどう変化するのか。そこに着目すると、権力がどう人間を変えていくのかとか、今後の「改革」の流れもたぶん見えてくる。
 一方、新聞も、こういう論説記事や調査報道を拡充していかないと、生き残れない時代になってくるだろう。この記事だってタダで見られる世の中だということを考えるとね。