さすが立花隆!

「将を射んとせば先ず馬を射よ」―そんな長い射程をもった言論をひさびさに見つけた。
 東京新聞での、「教育基本法改正背後に潜むもの」と題する立花隆氏の以下のような指摘だ。

(前略)戦後新憲法ができたが、国民のマインドが一挙に変わるわけはない。制度を根づかせるために教育の力が必要と、新憲法とペアをなすカタチで作った法律が教育基本法だ。世界の普遍的な価値の下に憲法を作り、日本全体にしみ通らせるのが目的だった。前文で日本国憲法に触れ、「この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」とした。
 憲法改正に必要な三分の二の議席を衆参両院で得るには、憲法を正しいとする教育基本法を変えなくてはいけない。「将を射んとすれば、まず馬から」という発想であり、憲法改正の地ならしだ。教育基本法の改正もまた、自民党の悲願だった。

 たしかに刹那的で無責任な言論や報道ばかりが量産されている。けれどアゴを引き、目を凝らす姿勢さえ失わなければ、長い射程の言論を見つけることはできる。