筑紫みずえさんとランチ

秋山真之―伝説の名参謀 (PHP文庫)
「EUって、もう殺し合わないためのシステムなんですよ」
「フランス人の友人は、私たちはフランス革命の精神を生きている、なんてたまに言うのよ。ええ、それは確かに羨ましくもあるけれど、でもね、私は仏教的な無私の方が最後は強いと思います」
 エコファンドの生みの親、グッドバンカー社長の筑紫みずえさんとひさしぶりにランチをご一緒した。今、少し本を読んだりしているフランスのアルザス・ロレーヌ地方の人たちについて訊くと、そんな耳に残る言葉がポンポンと飛び出してきた。「へぇ〜」」「そ、そうなんですか」「なるほど」・・・、ぼくは相槌男になっていく。
 学校で習ったはずだけど、ヨーロッパの戦争と人種の混沌みたいなものには、どうもぼくの想像力は追いつけない。フランスと日本を往復するような生活をしていらっしゃる筑紫さんとお話すると、そんなぼくの空白が心地よく刺激される。とても貴重な時間。
 そんな筑紫さんが最近面白く読まれたというのが、『伝説の名参謀 秋山真之』(PHP文庫)。日露戦争で、敵のバルチック艦隊を撃破した男の小説。この手の戦記ものは一冊も読んだことがないアンタッチャブル分野なので、さっそく買ってきた。この正月休みに人生初体験することにした。