生きるのに必要な溜(た)め〜東京新聞ラブ❤ 


 ようやく風邪が治りかけ、天気もいいので、夕方からゆっくりと6日ぶりの100分ジョグ。先週末と違い、花見客もいなくなった公園で、今頃満開の桜が一本。時おり吹きつける風にその花を散らしていた。ただ、足元をみると、すでに葉桜となった木々の周りの路面では今も桜がふぶいている。 


 東京新聞の社会面で、路上生活者やネットカフェ難民などの生活支援を行っている、NPO「もやい」についての連載が続いている。取材対象と真摯に向き合いながら描かれた記事がとてもいい。さすが東京新聞!本日12日付けの記事で、以下の部分に目が留まる。

貯金や収入があることはお金の溜(た)め。家族や友人、近所との支え合いは人間関係の溜め。能力や経験によって支えられる自信は気持ちの溜め。いずれの溜めもなくした時、人は絆を絶たれて孤立し、居場所を失う。


 そのNPO事務局長の視点だ。
 おそらく多くの人が漠然と感じていることを、とても明快に示している。100%幸福な人生なんてないように、それら3つの溜めがバランスよくある人もそう多くはない。あとは、どこで充足感を得るかという見切りのつけ方か。あるいは、それぞれの溜めをどう手作りするか。
 けれど、路面の桜ふぶきのように、一見消えてしまったと思いこんでいるものでも、よく足元を見回すと、まるで違った場所で見つけられるもの、まだ手作りできる溜めもあるはずだ。