姜尚中(カン・サンジュン)VS太田の刺激的対話〜NHK「爆笑問題のニッポンの教養」

rosa412008-09-30

 今夜の『ニッポンの教養』は濃かった。できれば2回連続で放送してほしいぐらい。


 姜さんが「(秋葉原事件を起こした)彼はみんなとつながりたかったけど、見ず知らずの人を殺すという形でしか、おそらく、つながれなかったんだと思う」というニュアンスのことを言っていた。
 もちろん、それは犯人の擁護ではなく、疎外された人間へ想像力を働かせた上での洞察としての話。反権力が裏返しの権力志向であったり、愛情と憎悪が表裏一体だったりするのと同じことだと思う。


 また、姜さんは「一人で死ね、っていうのは政治じゃない」とも発言していたが、その「政治」を「社会」と置き換えても、何の不都合もない。ただし残念ながら、そんな政治や社会に、ぼくもあなたも生きている。要は現実は同じで、それに自覚的かどうか。その想像力があるかないかの違いだけ。


 結婚しているからとか、会社に属しているからとか、あるいは恋人がいるからオレは、私は違うよなんていうのは、あくまで物事の上っ面でしかない。誰もが「一人で死ね、っていう政治(もしくは社会)にいる」という本質は普遍。


 だからこそ、太田が番組中で言っていたように、「あの男が、自分は今、社会が抱えている問題の核心にいるんだと自覚できていたら・・・」という認識も、すこぶる正しい。
 これも犯人擁護ではなく、まっとうな想像力を働かせた上での、太田光の認識の話。