みのれ〜ず通信( )〜蛇走る6月
雑草抜きの手を休め、頭上の空をあおぎ見る。
さっきまで水田に映っていた以上に藍まじりの青と白の、きっぱりとした対比。梅雨時前の、さわやかな空気と日差し。
これぞ、絶好の雑草取り日和だ。田植え時にはあれほど騒々しかった蛙たちは、もう発情期を終えたのか、その声は少しも聴こえてこない。
下の写真の右側が、すくっと屹立する苗で、その左斜め下に見える、ヒョロッとした細い緑を7,8本伸ばしているのがコナギという雑草。田植えを終えてからは、このコナギなどの水草との新たな戦いがはじまった。じつはこれ、苗の天敵。放っておくと、ぐんぐん成長して、苗が貯わえるべき養分を根こそぎ奪ってしまう。
無農薬のお米づくりとは、栽培というより、むしろ雑草引っこ抜きの日々かと思う。
一見すると、たいしたことないように思えるコナギ。
だが、このひょろっとした緑草の根っこを手でまさぐると、ときにはかなり強靭な手ごたえがある。まわりの泥土をふくめて引っこ抜くと、細身のホワイトアスパラガスなみのクリーム色の根っこが3、4本が出てくる。なめたらいかんぜよぉ〜、である。
あなたにも、きっとあるはずだ。
ささいで何気ないんだけど、なかなか止められない悪癖。だらしない習慣。トホホな性質や気質、それに・・・・・・。
これだけ、さまざまな雑草と向き合っていると、それぞれが自分の内側に巣食う、どうしようもないジブンのように見えてくる。も、もちろん、わたしにだっていっぱいある。 (つづく)