丹沢大山トレイルツアー(神奈川)


 ひさびさに両太腿の筋肉痛。
 フルマラソンを走った翌日のようだ。夕食前、近くのプールで1時間ほど身体を動かして、多少はマシになった。昨日、神奈川県大山を尾根伝いに、約20キロほど走るトレイルランニングの初級者向けツアーに参加した。


 山をてくてく登り、下りは走る。
 この繰り返しが、3時間をすぎると徐々に太腿に効いてくる。11時から昼食をはさんで、16時すぎまでだったが、残り30分ぐらいで、20代の男性がふくらはぎが吊って動けなくなった。かわいそうにと思う半面、彼の回復を待つことで、休憩がとれることにホッとする自分がいた。


「下りのときに、上体は前傾姿勢で腰をひかず、足は小さな歩幅で爪先着地。スキーのような曲線を描きながら駆け抜けていく。その技術さえ身に付けられれば、脚力は同じでも、より早く下れるんですよ」


 指導者の方が言う理屈はわかる。ある程度の斜度ならできる。
 だか急斜面になると、どうしても腰が引ける。登り降りでへばっている下半身もしなやかさを失い、怖さが先にたってしまう。スチャラカも一度転んだ。だ、ダサかった。


 それでもマラソン30キロ過ぎの練習には、距離を踏むより、トレイルのほうが効果的かもしれない。実際、昨日もマラソン経験者で、トレイルは初めてという参加者が多かった。
 また、年配の参加者の方と話していてたら、走り始めて2年目で、11月の筑波マラソンにエントリー済みだという65歳。すげぇ、スチャラカが目指すマラソンの最終年齢だ。しかも、この小柄で細身の男性、下りはスチャラカより全然軽くて速いんだなぁ、これが。


「そんな65歳までなんて、さびしいこと言わないでよ。わたしが入っている埼玉の走ろう会なんて、80代でフルマラソンばりばり走っている人なんかいっぱいいるんだからね。まだまだ、わたしなんて若造なんだから」
「・・・・・・・・・・・・・」


 たしかに、自分で限界を決めつけてはいけない。
 どんなに走りたくても、いつかは走れなくなる。それは20年後かもしれないし、明日かもしれない。そんなことは誰にもわからない。なにより、自分で自分をあきらめてはいけない。