クラシタという肉牛の肩あたりの部位は、なんだか肉の中トロめいた脂肪の入り具合で、ちょっと驚いた。ハラミのボリューム感とくらべると、より繊細で上品な味わいがある。稲刈り後に出かけた、千葉県旭市の焼肉店「今久」の裏メニューのひとつ。裏だけに一頭の中でも量が少なく、なかなか巡り合えないのが、たまたまこの日は残っていた。


 恒例の焼肉じゃんけんでオジサン4人盛り上がる。一皿5、6切れの肉がくると、残り1、2枚をじゃんけんで争う。喜怒哀楽がはじけて、稲刈り作業の疲れも吹っ飛ぶ。
 傍目にはずいぶんとアホなヤツらに見えただろうが、そんなのちっとも関係ない。ハラミ、クラシタ、カルビ、上カルビの順番で進んでいき、スチャラカはハラミと上カルビで勝利。上カルビの口どけも秀逸で、なんか近頃忘れていた肉食動物の遺伝子が刺激されてワオーッと叫びたくなる。