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愛媛・松山を徘徊する(3)〜3000年と61年の狭間をゆらゆらり 

油絵の風景画4点と、アルミ製の器に盛られた鍋焼きウドン。座敷とテーブル席を合わせても30席強の店内で、そのコントラストが鮮明だった。 昼時のせいか、会社員づれ、母子づれ、主婦づれなどの老若男女で賑わっていた。松山市の中心部に伸びる大街道(お…

愛媛・松山を徘徊する(2)〜3000年と61年の狭間をゆらゆらり 

道後温泉を出て、再び路面電車でホテルへ戻る。朝食とチェックアウトを済ませ、「坂の上の雲ミュージアム」へ。松山出身の秋山兄弟と正岡子規を主人公にした、司馬遼太郎の人気作「坂の上の雲」を記念した施設。 ここのユニ―クさは、小説「坂の上の雲」に対…

愛媛・松山を徘徊する(1)〜3000年と61年の狭間をゆらゆらり 

誰が言ったか知らないが、約3000年の湯につかる。 透き通った湯にふわっと全身が包まれる。JR松山駅前から軽いジョグで一度汗をかいていたせいか、すぐに汗が噴き出す。広さ6畳ほどの「霊(たま)の湯」を一人占めするために、朝6時に起きたんだ。た…

ボナペティ!(3)〜ヨーロッパの国境検問所で体感する、EUの英知 

レンタカーの運転手の人が、日本の紅いパスポートを示すだけで、一番最初のフランスからスイスへの国境検問所をスルーした。一時停止もなし。「日本人は観光でお金を落としてくれるから、EUに加盟していなくても、スイスではウェルカムな存在なんですよ」と…

ボナペティ!(2)〜スイスは日本の恐るべき近未来!? 

パリから、国内線でミュルーズ空港へ移動。ここでワンボックスのレンタカーで少し走り、フランスからスイス国境に入る検問所をへて、ドライブインで昼食。今回は車移動のせいもあって、国境検問所を何度も通った。フランス、スイス、ドイツ、オーストリア、…

ボナぺティ!(1)〜よく遊び、よく学べ  

終わりよければ、すべて良し。そんな言葉もあるけれど、ぼくの今回の旅は、予約したはずの復路の飛行機を目の前にしながら、乗れないという結末が待っていた。いやぁ、参った、参りました。場所は、フランスのシャルル・ドゴール空港の国際線ターミナル。し…

倉敷美観地区にて(5)

じつは岡山へ向かう途中、編集者と茂木健一郎さんの話になった。茂木さんと、先の『脳の欲望』の著者である野村進さんの対談に、その編集者が同席したという。そのとき、脳科学という本来ならそんなに売れそうにない分野のの本が売れている現状について、茂…

倉敷美観地区にて(4) 

野村進著『脳の欲望 死なない身体』という本に、アルツハイマー病(認知症の代表的な症例のひとつ)について、こんな研究者のコメントが紹介されている。 「人間の脳の大脳皮質が発達したから、アルツハイマーが出てきたわけですね。人間が長生きしすぎたか…

倉敷美観地区にて(3) 

岡山空港から羽田に戻り、自宅へと向かう電車の中で目に飛び込んできた広告がある。「10秒メシ」というゼリー型食品のそれだった。ずっと東京にいたら、何の違和感も覚えなかったかもしれない。でも岡山で3日間を過ごしたぼくは、スピ―ド信仰もここまでく…

倉敷美観地区にて(2) 

あまりくわしくは書けないが、ある認知症のグル―プホームに行ってきた。認知症には若年性のものがあるが、大抵は65歳以降に発症し、痴呆症状が進み日常生活が送れなくなる病気だ。グル―プホームとは、9人以下の認知症の方々が、家庭のような雰囲気で暮ら…

倉敷美観地区にて(1) 

平日午後4時半、人通りも少ない倉敷IVYスクエア脇の桜並木をゆっくりと歩いた。地面にはかなり花びらが落ちていたけれど、まだ葉桜ではなかった。東京よりずいぶん南になるのに桜の種類が違うんだろうか。20年以上ぶりの倉敷再訪。学生時代、修学旅行の添…