2010-01-01から1年間の記事一覧

みのれ〜ず通信―2種類の地大豆を植える

雑草とりのときの身のこなしが軽く、そして速くなってきた。今日初めてそれを実感した。走りはじめて身体が重いときにも、走っているとふいに加速する瞬間がある。あれと同じような心地よさ。なんでも反復することで、レベルは別にして、身体の使い方が洗練…

みのれ〜ず通信( )〜蛇走る6月

雑草抜きの手を休め、頭上の空をあおぎ見る。 さっきまで水田に映っていた以上に藍まじりの青と白の、きっぱりとした対比。梅雨時前の、さわやかな空気と日差し。 これぞ、絶好の雑草取り日和だ。田植え時にはあれほど騒々しかった蛙たちは、もう発情期を終…

佐野洋子『ふつうがえらい』

地下鉄の乗り換える駅の、あるいはぶらりと立ち寄った公園のベンチで、さもなくば自宅ベランダのベンチで、読んでいた本の一節に心をグイッとわしづかみにされることがある。 なにかしらぼんやりと思いながらも言葉にできていなかった考えとか、文字書き商売…

電車は止まらない(2)

佐野さんが、昔日のハリウッド俳優である、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの、名コンビぶりを書いた「人間相性よ」というコラムがある。2人の相性の良さを、大人になってから知った佐野さんは、 「相性がいいという事は人わざを越えるものなの…

電車は止まらない(1)

薄墨色の車窓の風景が、叩きつける雨に白くけむっている。 電車は京都方面にむけて走っている。日曜の夕方、車内は静まり返っていて、電車のエンジン音と、線路を疾走する音だけが重たくひびいている。実家の最寄駅まで車で送ってくれた両親の、とりわけ母親…

みのれ〜ず日誌(3)分かち合う幸せ

田植え終了後、成田駅までレンタカーで移動。 駅近くの居酒屋で、男3人でささやかに打ち上げ。炎天下にへぇへぇいいながら汗をかいた後の、ビールはひさびさに美味しかった。 新宿行きの快速電車に座ると、まだ両足が泥濘(ぬかるみ)につかっているように…

みのれ〜ず通信(2)

はぁ〜、そう深いため息をもらしてしまう。 首筋を照りつける日差しが熱く、水を張った田んぼにそれが乱反射する。 足が田んぼのぬかるみに取られて、極端に重たい。大人や子供らと横一列に並んで、田植えをしながら、思うようにいかずに少し苛立つ。 農家さ…

みのれ〜ず通信(1)田植え体験

田植えのため、前日夜、千葉県匝瑳市に入る。 翌朝7時起きで、9時からの田植えの前に雑草抜き。今回で3回目だが、抜いても抜いても伸びてくる雑草の生命力にうんざりさせられる。 同時に、その太い根の下をまさぐり、引き抜きながらふと思う。 自分の片意…

都会人はなぜ走りたがるのか〜「日経ビジネスオンライン」

Run

米国NYで、裸足で走る人たちが増えている。裸足で走ることをはじめ、元始的な遊び方を楽しむ人たちは「新しい原始人」とよばれているらしい。「都会人はなぜ走りたがるのか」という表題のWEB記事。「新しい原始人」という言葉にピクンときた。 アメリカ人…

ド素人DE米づくり(第2回)雑草さん、こんにちわ

前回、4時間ほどかけて、わりときれいに引っこ抜いたはずの雑草が、マイ田んぼににょきにょき生い茂っていた。ちなみに、この田んぼは「みのれ君」と呼ぶことにした。足の指先が二股に割れたスグレモノ長靴「みのる君」にちなんでみた。 「いやぁ、ウチのみ…

岡野雅行・岡野工業社長(NHKーBS番組『MISSON』)

「あきらめなければ、失敗にはならないんだ」

42・195Kmへの距離感

かすみがうらマラソンから2週間がすぎたことになる。 あれから疲労回復もかねて、何度か泳いではいるが、一度も走っていない。このまま1カ月、いや3カ月ぐらいなら、あっと言う間かもしれないなと思う。 あれだけ劣等感にまみれ、途中棄権の誘惑に何度か…

「芝蘭」神楽坂店のマーボー豆腐と水餃子

舌の表や裏側が山椒にコーティングされてしまい、いくら水を飲んでもとれない。 額や鼻の頭、下まぶたや首の裏側から汗が噴き出し、流れ落ちていく。食事というより、スポーツしているような疲労感だ。 「芝蘭」神楽坂店にランチに出かけた。一方、汁あり坦…

木村充揮の『君といつまでも』

「ふたりを ゆ うやみが つつむ こ の まどべに」 言葉を切る。といっても、ただブツ切りにするのではない。 言葉と言葉の挟間には、ある余韻がただよい、たしかに連なっている。それは「溜(た)め」とか、「間合い」ともよばれるものだろう。文章でいえば…

「祝(ほうり)の島」完成披露試写会(4月26日19時開演・なかのZERO小ホール 6月から東京・ポレポレ東中野でロードショー公開予定)

山口県上関町祝島。瀬戸内にうかぶこの島の対岸3・5キロに、原子力発電所の建設計画が持ち上がった。1982年のことだ。 「海は私たちのいのち」と話す島民たちは、「海と山さえあれば生きていける。だからわしらの代で海は売れん」と、それ以降28年間…

かがやくライラック

ベランダのライラックの花びらが、ピンクに染まりはじめた。朝食後、春めいた日差しに映えるその枝先を二本切って、ダイニングテーブルと壁掛けの一輪ざしに活ける。おのずと心が弾んで、デジカメでもパチリ。今度はむしょうに散歩がしたくなる。

NHK・坂本龍一「スコラ 音楽の学校」

通奏低音という視点に心惹かれた。 坂本龍一が司会をつとめる、「スコラ 音楽の学校」第3回のテーマが、バッハの通奏低音だった。ウィキペディアによると、バロック音楽において行われる演奏形態の一つ。低音部の旋律とともに即興的な和音を付け加えて伴奏…

かすみがうらマラソン 

Run

最低記録更新。はじめて走った東京マラソンより12分も遅かった。 今回は30キロの練習後、プールで軽く泳いで汗をかき、それから水中ウォーキングをして太ももやお尻の筋肉の張りをとること。友人からのアドバイスで、練習後はお湯をこまめに摂って、汗を…

故・井上ひさし氏の座右の銘(❤東京新聞4月12日夕刊)

むずかしいことをやさしく、 やさしいことをふかく、 ふかいことをゆかいに、 ゆかいなことをまじめに書く(作家・阿刀田高氏の追悼記事より引用抜粋)

小田嶋隆さんの「ipad」への視点(日経ビジネスオンライン)

web

コンピュータとのかかわりは必要最低限に抑えたい、近ごろ、そう気をつけている。ネットの情報はタダかもしれないけれど、それを見るためについやす時間はタダじゃない。ネットサーフィンに1時間を割くなら、その半分は本を読んだり、ボーッとする時間にあ…

第一回 雑草をもくもくとひっこ抜く

じぶんが載る前の体重計が、すでに2、3キロの目盛りをさしていて、調整ねじを回してゼロにもどしたことが何度かある。自分ではまるで気づかなかったズレにハッとしたあの感じを、ふいに思い出した。 グリリリッ、ガリリリッと蛙の声。トクトクトクトクと田…

素人のど自慢大会(上海万博出場をめざして) 

右上写真は、ちびマイケルジャクソン。 ところが、このちびマイケルが曲者で、肩や二の腕をクネクネさせてはいるものの、お世辞にもマイケルには見えなかった。これが26億人もの人口をかかえる中国で、ベスト12位に残った歌唱力とダンスとは思えない。 ずい…

上海取材(1)TV「スーパーファミリー」観覧記(前編)

上海浦東国際空港について数時間後、ぼくは地元テレビ局の生放送番組の客席にいた。「スーパーファミリー」というその番組は、今年5月に開催される上海万博に向けた、素人のど自慢大会。中国内の少数民族や香港など各地区の予選会を勝ち上がった参加者たち…

はじめての給水ボランティア

つ、つっ、つっめたい。 午前9時半ころ、きゅうに強い横なぐり雨がふきつけてきて(あられ混じり?)、マラソンシューズがずぶ濡れに。3枚はいていた靴下にもしみて、足裏の温度が急降下した。おもわず、ひとりで地団駄(じだんだ)をふむ。そんなことでは…

強い黒と深い闇(本橋成一写真展『サーカスの時間・第二幕』南青山SPACE「YUI」)

art

強い黒。 サーカスという非日常にきらめくのは光ではなく、むしろ強い黒。モノクロ写真は、その闇と光のコントラストに目が惹きつけられやすい。だが、今回はそれを強くこばむような黒。観る側に「読む」ことを強いる黒だ。 ステージと、その幕ひとつ裏側に…

絶品ゴルゴンゾーラのペンネ(ボナペティ−トパパ中野店)

「いままで食べたゴルゴンゾーラのパスタの中で一番おいしい!」 あるスペイン人女性がそう言ったというので、週末のお昼、「ボナペティートパパ」に行ってきた。しかも、場所は麻布でも青山でもなく、中野! まず、ジェノベーゼ(バジリコ)のパスタは絶妙…

はじめての青梅マラソンを満喫

Run

予想以上に起伏のあるコースと、変化のある景観。それに長い歴史につちかわれた熱い応援やサポート。4月に走る、かすみがうらマラソン大会と似ていて、走っていて楽しかった。人数が多いので、なかなか前に出られず、最初の15キロはあせらずに10キロ1…

写真資料集『 延辺文化大革命―10年の約束』(韓国・図書出版土香刊行)

戸田郁子さんの、ご主人である柳銀珪(リュ・ウンギュ)さんが、中国の少数民族である朝鮮族から見た「文化革命」というテーマで、貴重な本を出版されました。戸田さんは、韓流ブームの30年近く前に韓国に留学され、自著を出され、最近は出版社を立ち上げ…

赤木明登(あきと)著『美しいこと』(新潮社)

その装丁とタイトルの、一見ミスマッチなたたずまいに、「秘するが花」といわんばかりのセンスがある。まっ、レコードのジャケ写買いみたいなもんですな。ただし、正直に白状しておくと、以前出かけたあるギャラリーで、赤木さんの『美しいもの』を読んでい…

えらそうな「漢字」

小学校5年生でも読めて、大人の胸にもときどき刺さる。 そんな原稿をめざして、あくせくしている。今回の大きな発見は、自分がどれほど漢字熟語に今まで逃げていたのか、ということ。 漢字熟語は、それ自体がとても偉そうだ。 いかにも「私はぜったいに間違…